マーケティングの初歩の初歩!『ドリルを売るには穴を売れ』書評・感想
どーも、ルーヴです!
佐藤義典著『ドリルを売るには穴を売れ』を読了しましたので、感想などを書いていきたいと思います。
『ドリルを売るには穴を売れ』って題名からして、メチャメチャ面白いことが書かれてそうですよね。僕もそう思って手に取りました。実際、読みやすかったです。一気に読み終わりました。
この本は、細かいテクニックではなく、「マーケティングとは何か」ということを体系的にわかりやすく説明しています。とても基礎的な内容ですが、内容が薄いということはなく、筆者の経験に基づいた本格的な理論が描写されています。
どんな人におすすめ?
前項でも触れましたが、この本の内容はとても基礎的です。ゆえに、「とりあえずマーケティングを学んでみたい」初心者の方に強くオススメしたいです。本書であれば、挫折することなく読み切ることができます。
著者自身も、
営業、販売企画、広告、マーケティングなどにかかわっており、「売ること」に関する体系的な理解をしたい方が、初めに取る本(3頁)
と紹介しています。
もっと本格的なテクニックが知りたいという方はこちらもどうぞ
モノを買う引き金とは?『シュガーマンのマーケティング30の法則』書評・感想
どんなことが書かれている?
入社一ヶ月の新入社員が、2ヶ月というタイムリミットの中で経営不振のレストランを立て直していく、というストーリーと並行してマーケティングの基礎を説明する構成になっています。
この記事では、レストラン再建のストーリーは横に置いといて、マーケティング論の方から少し紹介しようと思います。
マーケティングとは何か?
マーケティングとは、なんでしょうか?
「モノを売ること」でしょうか。「モノを売るための広告」でしょうか。
本書では、
「売ることに関するすべてのこと」だ。市場調査、広告制作、営業戦略、などのすべてが含まれる。(13頁)
としています。
そして、モノの売買の裏には必ず売り手のマーケティングが発生しているとし、自分の身の回りからマーケティング脳を鍛えることができる、としています。
マーケティングは、現場で発見する、体験の中から感じ取る、ということが非常に重要なのだ(14頁)
だそうです。
4つの理論
身の回りにあるマーケティングを体系的に整理するには、たった4つの理論を知っておくだけでいい、と著者は話します。それは、
1.ベネフィット
2.セグメンテーションとターゲティング
3.差別化
4.4P (18頁)
です。
本書では、以上の4つの理論について、1つずつ解説がなされています。
最初のベネフィットを取り上げてみましょう。
ベネフィット~顧客にとっての「価値」~
モノそのものを売っているのではなく、モノの「顧客にとっての価値」を売っている、としています。
本書タイトルの例でいえば、ドリルそのものではなく、「穴を開けるための道具としてのドリル」を売っているわけですね。
他にも、例えば僕は最近吉野家で牛丼を食べたのですが、これは「空腹を満たすための牛丼」を買ったわけですね。
このように、モノの価値を考えることはとても大切で、商品の販売戦略に大きく影響します。この価値が価格を上回っているからこそ、お客さんはお金を払ってまで買ってくれるのです。
高級ブランドのバッグにしたって、バッグとしての機能だけでなく、「このブランドを持っているワタシすごい!といった意識」を合わせて売っているわけです。だからこそ、同じ品質のノンブランド商品の何倍もの値段を設定することができるのですね。
おしまい
以上、『ドリルを売るには穴を売れ』の紹介でした。
マーケティングの理論は、モノの販売以外にも様々なことに応用が出来ると思います。セルフブランディングや、それこそこのブログにだって(イマイチ生かし切れていませんが)。
繰り返しになりますが、本書は、マーケティングの基礎中の基礎を丁寧に解説しています。そしてとてもわかりやすい。巻末に重要チャートが掲載されているのもいいですね。初心者の方、是非一度読んでおいてほしいです。
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